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ペダルの空回り・異常音油切れ    v6.00 (2014/05/15)

 

各社 時々ペダルの空回りで漕げない「ガキッ」という異常音がする/潤滑油切れ

【概要】

「ペダルを漕いだ時の駆動力をチェーンで後輪に伝えるラチェット機構の油切れが原因で、ラチェット機構内部の爪が折れたかのような「ガキッ」という大きな異常音が出たり、時々ペダルが空回りして漕いだ時の駆動力が後輪に伝わらず前へ進めなかったりする」ことからの復元
 

【症状】

昨日まで自転車に乗っていても「ガキッ」という変な音がしなかったしペダルが空回りして前へ進めないような事も無かったのに、自転車のチェーンが外れたかチェーンを回す歯車の歯が折れてしまったのかと勘違いしてしまいそうな程の大きな「ガキッ」と、今にも何かの金属が破壊してしまったかのような嫌な音がするようになって瞬間的にペダルがカクッと空回りした感じがしたり、時々ペダルの空回りが続いて全く前へ進めなくなったりした時、自転車を止めてペダルを逆方向に回した時に本来聞こえる筈の甲(かん)高い「カタカタカタカタ・・・」というラチェット機構逆回し音が聞こえなかったりした。
    [自転車の足漕ぎはペダル軸歯車の回転がチェーンによって後輪軸歯車に伝えられるが、ペダルの前踏み(前輪側の押し下げ)で前進し、ペダルの後踏み(後輪側の押し下げ)では後進しないようにする為のラチェット機構が後輪軸側に設けられている。
    進行方向を前にして自転車の右側に屈んでペダルを時計回り(右回り)方向に回すとペダルの前踏み(前輪側の押し下げ)状態になるが、この時は後輪軸ラチェット機構はチェーンからのペダルの回転方向と力(駆動力)をそのまま後輪に伝えるように作用するので、後輪は時計回り(右回り)回転して自転車が前進することとなる。
    しかしペダルを反時計回り(左回り)方向に回すとペダルの後踏み(後輪側の押し下げ)状態になるが、この時は後輪軸ラチェット機構はチェーンからのペダルの回転方向と力(駆動力)をそのまま後輪に伝えず空回りするように作用するので、後輪は反時計回り(左回り)回転を全くせず自転車が後進する事も無い、ただ甲(かん)高い「カタカタカタカタ・・・」というラチェット機構逆回し音が聞こえるだけとなる。
    ラチェット機構内部の潤滑油切れが原因でラチェット爪の出し入れがスムーズに動かず、ペダルを時計回り(右回り)方向に回しているのにラチェット爪が引っ掛からず、チェーンが外れたかチェーンを回す歯車の歯が折れてしまったのかと勘違いしてしまいそうな程の大きな「ガキッ」と、今にも何かの金属が破壊してしまったかのような嫌な音がするようになって瞬間的にペダルがカクッと空回りした感じがしたり、時々ペダルの空回りが続いて全く前へ進めなくなったりした可能性が考えられる。]


ペダルが空回りしてしまって前進出来なくなった時、やむを得ず自転車を押しながら家へ帰ったが、翌日ラチェット爪の出し入れが復活したかのように乗れるようになった事が何回か繰り返された。

又ペダルが非常に重く感じられ、走行スピードを速く出せなかったので後輪軸ラチェット機構だけでなく前輪後輪軸受け部分やチェーン歯車の歯部分にも油切れしている可能性が考えられた。


【修理方針】

ちなみに前輪軸受(ボールベアリング軸受)が油切れを起こすと、ベアリング玉どうしが強く擦(こす)れ合い、ベアリング玉の磨耗が不均一に進むと終いにはベアリング玉の中には割れてしまうものも出てしまって、前輪軸の中心保持が出来なくなってしまう危険性があるので、定期的にやや粘度の高い「自転車油」(粘度の低い「ミシン油」でも代用可)を注(さ)しておくのが自転車を長持ちさせるコツでした。
    [昔はどろっとした粘度が高くて濃い茶色の油が「自転車油」として自転車屋で売られていましたが、これだと粘度が高い分「グリース」のように纏(まと)わり付いて、少しぐらいの雨水では洗い流されないものでした。
    最近ホームセンターでも自転車や草刈り機等が販売されていますが、粘度の高い「自転車油」と称するものは売られておらず、粘度が低い「汎用油」がミシンにも自転車にも使えますとして売られていますが、粘度の低い分耐雨水性能では劣ります。]

兎に角、「油」と称するものを直ちに必要個所に注さなければ、ベアリング玉が割れたり何時ペダルの空回りが発生するか分りかねない気がしたので、応急措置として取敢えず残っていた「灯油」を注す事に。

 

【修理難易度】   ○容易   普通   やや難   かなり難

特に何らかの特別な知識が必要な訳でも無く、必要なのは単なる慣れだけです。
 

【修理必要工具等】

自転車油(応急措置的にはミシン油・灯油・食用油などで代用可)

油注し(先が細くなったノズルを備えた「油注し兼用容器」に油が入っていれば不要ですが、文房具として売られている「スポイト」に1回1cc(ml)を吸い込ませて使用可)

グリース(高粘度糊状潤滑油)

爪楊枝(つまようじ、グリース塗布用)


大プラス・ドライバー(十字ねじ回し)
 
大マイナス・ドライバー(−字ねじ回し)


【修理手順】

(1) 前輪軸受への注油

前輪軸受への注油はそのまま通常の駐輪状態で行えますが、油の注入個所を確認する為に「前かご」の底部分かハンドル軸部分を片手で持ち上げながら前輪をもう片手で回して、軸受の「回っている部分と回っていない部分の境目」を確認します。

油が「油注し兼用容器」に入っていれば、「回っている部分と回っていない部分の境目」左側隙間にノズル先端を当てて、先ず前輪軸受の左側から1cc(ml)程を注してやります。
   [「油注し兼用容器」に入っていない灯油・食用油などで代用する場合は、「スポイト」に1回1cc(ml)を吸い込ませて使用します。
    油を注した後、「前かご」の底部分かハンドル軸部分を片手で持ち上げながら前輪をもう片手で数回回して油を軸受内部に行き渡らせます。]

次に同様に「回っている部分と回っていない部分の境目」右側隙間にノズル先端を当てて、前輪軸受けの右側から1cc(ml)程を注してやります。

油が溢れて回りに付いたり地面に零(こぼ)れ落ちてしまっても、ふき取る必要はなくそのままにしておきます。
   [油の皮膜は空気との接触を断ち、錆び止め効果があります。]

(2) ペダル軸受への注油

駐輪した状態で進行方向を前にして左側に回り、ペダルを手で回してペダル軸受の「回っている部分と回っていない部分の境目」を確認します。

油が「油注し兼用容器」に入っていれば、「回っている部分と回っていない部分の境目」左側隙間にノズル先端を当てて、先ず前輪軸受の左側から1cc(ml)程を注してやります。
   [「油注し兼用容器」に入っていない灯油・食用油などで代用する場合は、「スポイト」に1回1cc(ml)を吸い込ませて使用します。
    油を注した後、ペダルを数回回して油を軸受け内部に行き渡らせます。]

(3) ペダル歯車・チェーン噛み合わせ部分への注油

駐輪した状態で進行方向を前にして右側に回り、チェーン・カバーのペダル付け根部分のドーナツ板型蓋を締め付けているプラス・ネジを「大プラス・ドライバー(十字ねじ回し)」で左回しして取り外します。
   [プラス・ネジを外してもドーナツ板型蓋が外れて来ない場合は、「大マイナス・ドライバー(−字ねじ回し)」を隙間に差し込むようにしてこじると外れます。
    外したドーナツ板型蓋はペダル軸のペダル端部分までずらしてやれば、ペダル歯車・チェーン噛み合わせ部分への注油がやり易くなります。]

ペダル歯車・チェーン噛み合わせ部分への注油は、ペダルをペダル歯車1歯づつ送る感じでゆっくり回しながら各歯先端部に米1粒程度の量のグリース(高粘度糊状潤滑油)を爪楊枝(つまようじ)で塗り付けてやります。
   [応急処置としてグリース
を灯油・食用油などで代用する場合は、各歯先端部が濡れた感じの量で油を注して置きますが、後日グリースを追加塗布した方が良いでしょう。
    ペダル歯車の各歯先端部を1周塗布(注油)した後、ペダル歯車・チェーン噛み合わせ部分に潤滑油が馴染む様にペダルを数回回してやります。]

外したドーナツ板型蓋を元の位置に嵌(は)め込み、外したプラス・ネジで元通りに締め付けて置きます。

(4) 後輪軸歯車・チェーン噛み合わせ部分への注油

駐輪した状態で進行方向を前にして右側に回り、チェーン・カバーの半円型後輪軸カバー蓋上部のプラス・ネジを「大プラス・ドライバー(十字ねじ回し)」で左回しして取り外します。
   [プラス・ネジを外しても半円型後輪軸カバー蓋が外れて来ない場合は、「大マイナス・ドライバー(−字ねじ回し)」を隙間に差し込むようにして自転車後方へこじると外れます。
    外した半円型後輪軸カバー蓋は下部がチェーン・カバー本体に繋がったままぶら下がる形になります。]

後輪軸は軸中心に最も近い部分が後輪軸軸受、その外周位置にラチェット機構、更にその外周位置に後輪軸歯車という順で配置されています。

後輪軸歯車・チェーン噛み合わせ部分への注油は、ペダルを後輪軸歯車1歯づつ送る感じでゆっくり回しながら各歯先端部に米1粒程度の量のグリース(高粘度糊状潤滑油)を爪楊枝(つまようじ)で塗り付けてやります。
   [応急処置としてグリース
を灯油・食用油などで代用する場合は、各歯先端部が濡れた感じの量で油を注して置きますが、後日グリースを追加塗布した方が良いでしょう。
    後輪軸歯車の各歯先端部を1周塗布(注油)した後、後輪軸歯車・チェーン噛み合わせ部分に潤滑油が馴染む様にペダルを数回回してやります。]

外した半円型後輪軸カバー蓋を元に戻さないまま次の作業(5)に移ります。

(5) 後輪軸軸受への注油

ペダルを手で回して軸中心に最も近い位置の後輪軸軸受の「回っている部分と回っていない部分の境目」を確認します。

油が「油注し兼用容器」に入っていれば、「回っている部分と回っていない部分の境目」隙間にノズル先端を当てて、先ず後輪軸受の左側から1cc(ml)程を注してやります。
   [「油注し兼用容器」に入っていない灯油・食用油などで代用する場合は、「スポイト」に1回1cc(ml)を吸い込ませて使用します。
    油を注した後、ペダルを数回回して油を軸受内部に行き渡らせます。]

外した半円型後輪軸カバー蓋を元に戻さないまま次の作業(6)に移ります。

(6) ラチェット機構への注油

ペダルを手で回して軸中心に最も近い位置の後輪軸軸受の外周に位置し最外周の後輪軸歯車の内周側に位置するのがラチェット機構ですが、後輪軸歯車内周側の「回っている部分と回っていない部分の境目」を確認します。

油が「油注し兼用容器」に入っていれば、「回っている部分と回っていない部分の境目」隙間にノズル先端を当てて、先ず後輪軸歯車内周部の左側から1cc(ml)程を注してやります。
   [「油注し兼用容器」に入っていない灯油・食用油などで代用する場合は、「スポイト」に1回1cc(ml)を吸い込ませて使用します。
    油を注した後、ペダルを数回回して油をラチェット機構内部に行き渡らせます。]

外した半円型後輪軸カバー蓋を元の位置に嵌(は)め込み、外したプラス・ネジで元通りに締め付けて置きます。



----  続く (請うご期待!) ----
 

あとがき

灯油で代用しましたが、油注しの効果はてき面で「ガリッ」とか「ガキッ」とかいう嫌な音は直ぐしなくなり、ペダルの空回りもしなくなりましたので、取敢えずこのまま様子見に。

外の家の脇に野ざらしで駐輪していて雨に当たる為、灯油で代用した場合1ヶ月くらいで前輪軸受から又「ガリッ」音が出るようになってしまいましたから、油注しの間隔が伸びるようにするには雨ざらしを避けるか灯油代用しないでちゃんと自転車用とされている油かもっと粘度の高い油で代用すべきでしょう。

    [ドロッとした粘度の高さではサラダ油で代用した方が良い。]

ペダルが重く、走行スピードを速く出せないのはさほど改善していないようだった。

又、駐輪用スタンドの動きが重く、駐輪操作すると大きな摩擦音がしていたので、動きに関連して擦れ合うような個所に代用灯油を注してみましたがさほど改善効果は無かった。
    [駐輪操作の動きに関連して擦れ合うような個所が錆びずにピカピカに光っている所があったので、後日そこの部分にグリースを薄く塗布。]



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