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石油ストーブの概要    v7.01 (2021/01/29)


石油ストーブの概要と変遷

そもそも大昔の日本家屋における暖房と言えば、時代劇の農家に出て来るように玄関の直ぐ近くの部屋の中央付近に囲炉裏(いろり)が備えられて薪(まき)を燃やして部屋を暖め、家族全員が囲炉裏の周囲に集まって暖を取り、囲炉裏の火で炊事の煮炊きも行うという生活スタイルでした。
   [屋根が萱葺き(かやぶき)の家では薪(まき)を燃やした時の煙が萱(かや)への虫食いを防ぎ、雨に濡れた萱(かや)の乾燥を助け長持ちさせるのに役立っていました。]

欧米のレンガ作りの家では煙突を持った暖炉(だんろ)なるものが居間の壁にレンガで作り付けられ、薪(まき)を燃やして部屋を暖め、家族全員が暖炉(だんろ)の周囲に集まって暖を取るという生活スタイルでした。

最初のストーブとしては、洋間や店・事務室・教室等部屋の中央床上に置いて部屋の外に排煙させるブリキ製煙突を繋いで使う「薪(まき)ストーブ」が使われだし、次いで燃やすものが薪(まき)から石炭に替わった「石炭ストーブ」が使われだしました。

又都市の道路地下にガス管が張り巡らされて都市ガスとして供給されるとこの都市ガスを燃料として煮炊きに使う「ガス・テーブル」が使われ始めたり、一方都市部でも都市ガスを供給されてない地区や地方ではプロパン・ガスのボンベを家の周りに置いてそのボンベから台所に置いた「ガス・コンロ」や「ガス・テーブル」まで配管する事で、ガス・ボンベの中のプロパン・ガスを燃料として煮炊きに使用するようになると、都市ガス用には「都市ガス用ガスストーブ」が、プロパン・ガス用には「プロパン・ガス用ガスストーブ」が使われることも出始めました。
    [ガス・コンロ、ガス・テーブル、ガス・ストーブはガスの燃焼では煙が出ないので煙突も要らず、薪(まき)や石炭と違って配管で繋がれている限り燃料の継ぎ足しが不要という長所を持っていますが、配管からゴム・ホースでこれらガス器具にガス供給されるのでこのゴム・ホース等の劣化でガス漏れが起きる事があり、何年に1回かという風に定期的なガス漏れ検査は欠かせません。]

一方では煙突も要らない、電源コンセントさえ有れば使え、置き場所を自由に変える事が出来る電気ストーブも開発されましたが、暖かさの割りに電気代というランニング・コストが高く付くので暖房器具の主役には至っていません。

その後燃料に扱い易い灯油を使う「石油ストーブ」が普及し、ガス同様灯油の燃焼では煙が出ないので煙突も要らず、ガスのような配管、電気のような電源コンセント、というような設備的なものも不要で置き場所を変えられる使い勝手とランニング・コストが最も安く付いたので暖房器具の主役に踊り出ました。
    [その後、「電気ルーム・エアコン」なるものが開発され、冷房も暖房も可能という機種が出始めると次第に暖房器具の主役の座を奪われて行きました。]
 

「石油ストーブ」には「反射式」と「対流式」の2方式があり、薪(まき)ストーブや石炭ストーブのように部屋の中央に置いて360度全方向への輻射熱や暖められた空気の対流で部屋全体を暖める目的で作られているのが「対流式」、「反射式」は燃焼筒の後方に熱反射鏡を備えて前方向に輻射熱を集中させるように工夫したものです。
    [「対流式」は部屋の中央に置き、主に店や事務所などで使われ、「反射式」は暖炉(だんろ)のように壁寄りに置いて使えるので主に家庭などで使われるようになりました。]
 

石油ストーブの燃焼芯は、対流式・反射式共に円筒形状で、初期の頃の材質は綿でしたので灯油切れになると綿芯そのものが燃えてしまい高さが不揃いになりがちで、結果段段均一な炎の出方燃え方が失われて行きましたので、時々綿芯の頭を切り揃えて均一な炎の出方燃え方になるようにメンテナンスしながら使って行く必要が有りました。

その後ガラス繊維が開発されると、燃焼芯はガラス繊維で作られたガラス芯に取って代わられましたが、ガラス芯は灯油が切れても燃えてしまわないので綿芯のような頭を切り揃える作業が不要な上、逆に使用と共に次第に燃焼芯にススがこびり付いて行くので、これを取り除く為に時々灯油が切れてもそのまま焚き続ける「空焚き」を行うようになりました。
    [暫らくして松下電器〈現パナソニック〉から燃焼芯を円筒形から円周上に何本もの可動ロウソク状芯を立てたかのような形にして、この可動ロウソク状芯付け根付近に灯油が回るように固定円状芯を接触させて使うというものが出され、匂いが少ないという振れ込みでしたが通常の燃焼状態ではそうなのかも知れませんが、点火の時には火が回りにくいせいもあって返って従来よりも匂いが酷くて販売シェアを落として、其れだけでは済まず同社他製品の信用にも影を落とす結果になりました。
     参照:  トニックス トップ>修理・治療法>欠陥商品メーカー>  
 

対流式石油ストーブでは石油ストーブの本体ケース中心部で燃焼芯が円筒ロウソクのように燃えるので反射式石油ストーブのようないわゆる「燃焼筒」の役目を担うものは不要ですが、反射式石油ストーブでは「燃焼筒」が設けられ、この3重の同心円状に金属筒を配して構成された「燃焼筒」の上部にドーム状の金網を備えて、この金網が均一に赤熱するように燃焼芯の高さを調節して使用していました。
    [対流式は燃焼芯の高さ調節範囲が広く使えるので火力の調節範囲も広い特長が有りましたが、反射式では燃焼筒上部の金網が均一に赤熱させられる燃焼芯の高さ調節範囲が非常に狭いので火力調節範囲が狭い使い辛さが有りました。]

対流式・反射式共に初期の石油ストーブの燃焼芯の上げ下げには回転ダイアルツマミを回すことで燃焼芯が回転しながらせり上がって行く構造となっており、点火には対流式では先ず燃焼芯を上げて点火窓の扉を開いてマッチで点火後、点火窓扉を閉めて炎状態を回転ダイアルツマミで調節、反射式では同じく燃焼芯を上げた後燃焼筒の取っ手を持ち上げてマッチで点火後、燃焼筒を下ろして燃焼筒の取っ手を左右に振って燃焼筒の座りを良くしてから燃焼筒上部金網全体が一様に赤熱するように回転ダイアルツマミで調節していました。
    [東芝製石油ストーブでは、炎の微調整がし易いように複数回転で最大上げ下げとなるような「バーニア機構」が付けられていました。]
 

その後、単一乾電池2個で点火プラグを赤熱させ燃焼芯に着火させる「電池着火機構」の石油ストーブが開発され、電池着火方式が当たり前となって行きました。
    [「電池着火機構」は、燃焼芯を十分上げた状態で着火ボタンを押すと点火プラグが燃焼芯に接触するように移動し、接触間際に電池から点火プラグのヒーター線に電気が流されて着火させるというものでした。
     点火プラグが燃焼芯の方へせり出して行く機構は、石油ストーブメーカーによってやり方が違い、燃焼芯の内側から点火プラグが接触するように設けている所と外側から点火プラグが接触するように設けている所とがありましたが、いずれの方式にも点火プラグには蓋付きの格納庫が用意され、着火ボタンを押した時だけこの蓋が開いて燃焼芯の方へせり出して行くように配慮され、燃焼中の熱でヒーター線が変形したり点火プラグそのものへのダメージが加わらないように設計されていました。
     更に反射式石油ストーブでは、着火ボタンを押した時に燃焼筒を傾け持ち上げるような形を保持しながら点火プラグがせり出して行く機構になっていました。]
 

その後、地震で揺れたり人がたまたまぶつかったりなどして強い衝撃が加わった時に自動的に消火するような「耐震自動消火装置機構」が開発され、耐震自動消火装置付きが当たり前となって行きました。
    [東芝製石油ストーブの「耐震自動消火装置機構」では、燃焼筒を持ち上げ横から燃焼芯の頭を掃(はら)うように金属の蓋が被(かぶ)さる形で一瞬で消火し、再点火には耐震自動消火状態を解除する為のリセット機構が備えられていました。
     より簡単な「耐震自動消火装置機構」として、感振器が衝撃で揺れると燃焼芯を一気に下へ押し下げる構造のものが主流となり、連れて燃焼芯の上げ下げに回転ダイアル方式から直線スライダー方式へと変化して行きましたが、直線スライダー方式では各社共スライド長さが短い為炎の微調整がし辛くなってしまいました。
     只、燃焼芯を一気に下へ押し下げる構造のものでは燃焼芯にすすがこびり付いていると下まで芯が完全に下がらず一瞬で消せない可能性あり、後述のようにずっと後になって新規参入したニッセイ社製品のようにこれに使用するバネの力不足で新品で初点火直後の耐震自動消火テストにも関わらず消火に数分掛って漸(ようや)く消えて、念の為数度の「空焚き」をやってから再テストしてみても消化時間が短縮するような改善が見られなかった上、消火ボタンの操作で消火させてもやはり消火に数分掛り、挙句の果てには消火ボタンを押しても灯油が完全に無くなるまで消火しない状態が10回の内7・8回起きる始末、原因を探る為色々試してみると、燃焼芯が最大に上がっている位置で耐震自動消火装置が働いたり消火ボタンを操作したりした時には何とか燃焼芯が大きく下がり消火に数分掛る状態になるが、通常の燃焼位置である燃焼芯が最大に上がっていない位置だと燃焼芯の下がり方が少なく灯油が完全に無くなるまで消火しない状態になるようで、耐震自動消火装置が働いたり消火ボタンを操作したりした時に同じバネの力で燃焼芯を引き下げるが燃焼芯の上下位置によってこのバネの伸び具合が左右されているので、結局バネの伸び具合で決まるバネの力が消火能力に直接影響してしまうから消火時間のバラツキに繋がっていたという訳でした、これは明らかに設計ミスと言って良いもので欠陥商品と言えます。
     参照:  トニックス トップ>修理・治療法>欠陥商品メーカー>  
 

コロナ社から燃焼筒最外周筒をガラス筒で構成されたものが出始めてから、ドーム状金網の替わりに内側炎誘導筒部分の金属が赤熱して輻射熱を出すようになったので、燃焼芯の高さ調節範囲が少し広くなり、連れて火力調節範囲が広がって幾分使い易くなりました。
   [この頃までは各家電メーカーが石油ストーブ製造の主役でしたが、三菱電機が灯油をガス化して燃焼させる「石油ファンヒータ」なるものを商品化すると、家電メーカー各社は「石油ファンヒータ」に製品シフトして行き、結果石油ストーブから次第に撤退して行き、昨今ではコロナ社やトヨトミ社など石油機器専門メーカしか石油ストーブを作らなくなってしまいましたので、品質的には逆戻り現象が見られるケースも有りました。]
 

近年、「スーパーストア(食品スーパー)」→「ディスカウントストア」→「ホームセンター」→「100円ショップ」と安売りが食品から生活雑貨全般にまでどんどん広がり、加えて円高の進行で家電製品では段段日本国内で物作りし辛くなって、「SANYO」や「AIWA」等人件費の安い国で作らせてブランドだけ自前というメーカーが現れ、社内で培(つちか)われて来た製造技術や設計技術等が継承されていない例が出ています。
    [かって日本が欧米の電気製品や自動車等を模倣しながら少しづつ技術を蓄え、最初は欧米から「安かろう悪かろうの日本製品」と見られていたのが、ソニーやトヨタ等世界をリードするまでに技術力を蓄え、「安心できる確かな日本製品」と言われるまでになりましたが、其処まで到達するのに何十年と掛っています。
     今やホームセンターや100円ショップで後進国製造の製品が氾濫していますが、10年前20年前の日本の製品品質レベルに戻ったかのような製品の大氾濫には困ったものです。
     見よう見真似で外観を真似て作っても、材質が粗悪で使い始め1日目で直ぐ刃こぼれ(刃が欠ける)してしまう鎌(かま)、粗悪オイルレス・メタルを使ったモータで作られた為にたった数年でオイル切れして回らなくなって終いには発火事故に至ってしまう扇風機等欠陥品の枚挙に暇(いとま)がありません。
     日本ブランドだと一見日本国内製造製品と勘違いしてしまいがちですが、AIWAやSANYOのようにいずれ信用を落として会社の身売りに繋がってしまうので、技術的に後戻りしないように海外調達する事が大事であるという証(あかし)でしょう。
     参照:  トニックス トップ>修理・治療法>欠陥商品メーカー>  
 

長年石油ストーブを作り続けていた家電メーカーでも、工場の再編で石油ストーブの生産から撤退したりして、ここでも折角培(つちか)われた技術が継承されなくなっています。

そんな所へ海外特に米国での大寒波発生により急遽石油ストーブ需要が急増し、石油ストーブの品不足が話題になったりして、新たな石油ストーブメーカーが勃興(ぼっこう)ホームセンター向けに出荷するようになりました。

そんなメーカーとしてニッセイ社がありますが、点火プラグ・反射鏡・燃焼筒や耐震自動消火装置部分に多少独自性を持たせていますが、点火プラグや耐震自動消火装置には技術的に未熟感を通り越して欠陥品ではないかという疑念が感じられます。
    [点火プラグは燃焼芯が燃焼中も剥(む)き出しで燃焼芯に近接させたままであり、「コロナ社のように点火時だけ燃焼芯に接触させるメカを持つ」というような工夫を省略しているので、点火操作の通電で赤熱後も燃焼芯の燃焼で加熱しっぱなしなので、点火プラグの寿命を縮める可能性があり、点火プラグには幾ら耐熱性を持たせていると言ってもこれはコスト削減目的の手抜き設計でしょう。
     
 
 

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