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フイルムカメラのコツ    v6.00 (2004/05/10)


フィルムカメラ・リサイクルのコツ

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ここではリユース(再使用)する場合に限定して取り上げます。


《 フイルムカメラのコツ  目次 》

【 フイルムカメラ概説('04/05/10) 】


 

フイルムカメラ  概説('04/05/10)

「銀塩ネガフイルム」を使うフィルムカメラは、カメラレンズを介して入射させた光を銀塩ネガフイルムに感光させた後、カメラから取り出したフイルムを現像液で定着させ、今度は現像済みフイルムを透過させた光を印画紙に感光させて焼き付けた後定着液で定着させるという過程を経ることで所謂写真アルバムに張り付け可能な「紙焼き写真」となります。

「銀塩ポジ(リバーサル)フイルム」を使った場合は、通常は現像済みフイルムを直接専用スライド映写機にかけてスクリーン上に映し出して所謂「スライド写真」として見ることになります。


カメラは大きさで分類すると、ライター型等隠し撮り目的の小型特殊カメラ、35ミリカメラ(一眼レフ、コンパクト、ハーフ、パノラマ)、中型カメラ(6×6判、6×7判、6×9判)、蛇腹タイプの大判カメラ等に分類出来ます。


通常良く使われる35ミリカメラは、35m/mサイズのフイルムを使用するものですが、35ミリ一眼レフカメラとしてシステム化されたものからポケットにも入るコンパクト型や近年では使い捨てタイプのレンズ付きフイルムと称するものまで多彩で、その機能も初期の露出手動設定のマニュアル撮影専用機に始まり露出計内臓、露出計のTTL測光方式、自動露出機能やストロボ、オートワインダー(フイルム自動巻上げ)機能、オートフォーカス(自動焦点合せ)機能までをも内臓へと進化してきています。

中でも35ミリ一眼レフカメラは交換レンズの豊富さとその機動性でプロ写真家からアマチュア写真家までと愛用者が多く、中古カメラ市場でも中心的存在となっています。

ライカ社やニコン社の一部の中古機種等はマニア垂涎(すいぜん)のお宝コレクションの対象となっています。


35ミリカメラでの「ハーフサイズカメラ」というのは、撮影1回当たりのフイルム感光エリア(範囲)を半分にして使用していますので2倍の枚数(例えば「36枚撮りフイルム」なら72枚)が撮影出来ることになりますが、フイルム感光エリア(範囲)を半分にしてる分、写真コンテスト出品や写真展等用に大きな印画紙に引き伸ばして焼き付ける時は画質面で不利になります。


「パノラマカメラ」は、フイルム送り方向(横長部分)の長さをそのままに、その状態で縦の上下をカメラ内部でスタンダードサイズのものより少し遮光(覆い隠)して、相対的にその分横方向がワイドになったような縦横比を実現して、印画紙は横方向がワイドになったパノラマ用印画紙に焼き付けると所謂「パノラマ写真」となる訳ですが、クラス全員の卒業写真の時のように例えば30人を写し込む時に3段の雛壇(ひなだん)で1列10人配置した状態で撮影出来たとすると、パノラマカメラでは標準レンズよりも少し広角になったレンズ(被写体からの距離が同じであっても標準レンズよりも移りこむ範囲が少し広がる)を使っていたとしても、縦方向が感光する範囲の絶対量として圧縮されているので例えば同じ3段の雛壇を移すのにその分撮影位置を後ずさりさせる必要が出てきがちとなります。

パノラマカメラを使わずに写してしまった現像済みネガフイルムからパノラマ写真を作る方法として、一度普通に印画紙に焼付けして貰った後、その写真に縦方向に上下を少し除外した「焼付けして欲しい範囲」を記入して「トリミング加工焼付け」依頼すれば自由サイズのパノラマ写真が作れます。


カメラ用電池という面から見ると、初期の露出手動設定のマニュアル撮影専用機及びセレン光電池式の露出計内蔵機までの時代にはカメラに電池を必要としていませんでしたが、Cdsセル式の露出計内臓機以降、露出計用にボタン型の「水銀電池(1.3V)」が使われるようになり、その後低温時の特性が良い「銀電池(1.5V)」使用機が増加し、より電気負荷の大きいストロボやオートワインダー機能、オートフォーカス機能が内蔵されてからは単3型乾電池やカメラ専用乾電池が使われて来ました。


現在では環境問題が重視されて水銀電池は製造されていませんので入手する事は出来ません。

従って、水銀電池が無いと全く使えない自動露出専用タイプのカメラでは通常は使用不能となって後は飾り物にしかなりませんが、少し高価で手に入りにくいのを厭(いと)わなければ形状差と電圧差を補正する水銀電池アダプターを作って販売しているカメラ修理専門店が東京には1軒有りますのでこれを利用すれば一応ほぼ従来通り使えるようになります。
(厳密には正確に電圧補正出来ないらしく、露出に微妙なズレが生ずるようですが・・・。
 このような水銀電池アダプターを使わず、無理矢理銀電池でそのまま代用すると露出に大きなズレが生じて思い描いたような露出に仕上がらない可能性が有ります。)

一方、水銀電池が無くてもマニュアル撮影出来る機能が備わっているタイプのものならば、水銀電池が無くてもそのままマニュアル撮影専用機と割り切って使う事は出来ます。

自動露出カメラ又は内臓露出計指示値に頼ったマニュアル撮影に慣れてしまっていると、いきなりこれらが使えない完全マニュアル撮影状況に陥るとまごつき易いものですが、こんな時は先ず使うフイルムの包装箱に幾つかの標準的な撮影条件例がシャッタースピード値と絞り値の組合せで例示されていますから、これを参考にして決めますが少し値をずらした撮影も何枚づつ(例えば4枚づつとか)か撮影しておくようにすれば実質的にフイルム1本当たりの撮影出来るカット数は少なくなりますがより良い露出に仕上がった写真だけ残すことで、何とか対処出来ます。


「35ミリ一眼レフカメラ」の特長である交換レンズシステムは撮影に柔軟性を与えてくれる優れたシステムですが、交換レンズの取り付け部分であるレンズマウントの形状・寸法は各カメラメーカー間で必ずしも統一されている訳では有りませんので、交換レンズ専門メーカー等の製品(交換レンズ、マウントアダプター、レンズフィルター等)も含めて組合せによっては共用出来ない場合が有ります。

従って、カメラ本体又は交換レンズ等を買い足す時は手持ちの物と共用出来るかどうかにも注意を払う必要が有ります。


未使用フイルムの保管には常温(室温)で放置せず、冷暗所(例えば冷蔵庫の冷蔵室等)に保管しておきますが、フイルムの包装箱に記されている使用期限内に使い切るように買い溜めし過ぎないように気を付け、カメラ内部での結露を防ぐ為使用する10分前には冷蔵庫から取り出して室温状態に置くようにします。

使用期限が過ぎたものを使うとどうなるかと言うと、年月が過ぎるに従ってどんどんと発色性や輝度等が劣化して行くことになり、ひどい場合には巻いてあるフイルムがくっ付き始めたり粉を吹いた様にカメラ内部が粉だらけになったりしますので、シャッターチャンスが2度と得られないような大事な場面では使わないようにします。

ちなみに筆者は

(1) 室温で10年間放置したフイルムを試しに使ってみた事が有りますが、露出を「オーバー気味」(通常よりシャッタースピード値で1/2設定又は絞り値設定で1絞り開ける)にして撮影した後、普通にクリーニング屋さん等で取り次いでいるDPE(自動機械による同時プリントで¥500)にそのまま何の指定も無く出してちょっとまだ「アンダー気味」(少し白っちゃけた薄い仕上がりのプリント)かなぐらいで全く見れないと言うものでは有りませんでした。

(2) レンズ付きフイルムで10年前に全駒写し終えたのに、DPEに出し忘れて室温でそのまま放置してしまったものが有りました。

(3) 10数駒分写し残した状態でカメラにカラーネガフイルムが装填(てん)されたままで10年間室温で放置してしまったものが有りました。

(2)と(3)には大事なものも写っている筈だとして、少しでも良い状態でプリント出来ないか、出来る範囲で現像・焼付け時にその作業時間(現像時間や露光時間等)を手調整して仕上げてくれる職人に依頼出来ないかと思い、以前カメラ雑誌(’92年頃)でそのような職人がいるというコニカミノルタ(雑誌掲載時はコニカ)社に電話問い合わせして見ましたが、’04年現在「そのような部署は廃止されてしまったのでその当時の人がいたとしてもそのような依頼を受けられないが、富士フィルムさんに問い合わせてみたら」とのことで、富士フィルム社に電話したら系列のDPE会社でやってくれる人がいるというのでその人を紹介してもらって依頼しました。

従来のアナログ機ならこうは行かなかったかも知れませんが、幸いそこは最新のデジタル機器が入っていて、勿論それを使いこなせるその職人さんがいたからでしょうが、それほど手間がかからず10年も放置されていたものにしては予想以上の良い仕上がり(紙焼きだけを見れば10年前うんぬんに気が付かないくらい)でプリントして頂き、料金も町の普通のカメラ屋さんに「同時プリントDPE依頼」した程度のものでした。
(現像されたフィルムを見てみると、さすがにかなりアンダー気味の薄い露光状態にまで劣化していましたが、そのフィルムからデジタル取り込みをして、色やコントラストをデジタル補正してからプリントしたものと思われます。
 〔3〕はフィルム残り駒〔枚〕数分をDPE依頼する直前に露出オーバー気味に撮影し終えてから出しましたが、この時巻上げ時にフィルムが重なってくっ付いているような感触が有りましたけれど、何とかだましだましと思い少しずつそおーっと巻上げる〔巻き戻す〕感じでやってうまく行きました。
 フィルムを取り出してみると、カメラの中は白い粉だらけでした。)

フジカラーイメージングサービス特約店
 AB−YZ(アビーズ) 行木(なめき)氏
 東京都渋谷区広尾
 TEL:03−5792−9872  
 36枚撮り現像代 ¥500    24枚撮り現像代 ¥450
 プリント代1枚    ¥30
(ちなみに〔2〕はナショナル〔松下電産〕製のレンズ付きフィルムでフィルムメーカー不明〔台湾製?〕でしたが、〔3〕は独アグファ社製でベストの現像を行うには各フィルムの化学的データに精通している必要が有り、幸いアグファ社のフィルムは都内ビッグカメラやヨドバシカメラで販売されていたものでしたが、特に問題は無いということでした。)

行木氏によると保管・放置されていた時の温度だけでなく、室内のガス(新品家具や新築の家では接着剤のホルマリン・ガスで住人がシックハウス症候群になる事が知られている)にも気を付ける必要が有り、それらの影響度合いによって劣化の度合いが異なるとのことでした。

(3)のDPE依頼直前に写した駒は10年前に撮影済みの駒と比べると、10年前の部分はかなり露光が劣化(かなりアンダー気味の薄い)していましたが、依頼直前の部分は露出オーバー気味に撮影してようやく通常並みの露光状態(まあまあの濃さ)でした。

同じ「10年前」と言っても「10年前に撮影したものをDPE忘れで放置された時」の方が劣化が激しく、「10年前の未使用フイルム」でも露出オーバー気味に撮影してすぐDPEに出しさえすればまあまあに仕上がるという事のようです。


カタログ用や雑誌の新製品案内用等に商品を撮影する時は、モノクロ(白黒)印刷ならモノクロネガフイルムを使用して撮影しモノクロ・光沢有りで紙焼き(印画紙焼付け)したものを使いますが、カラー印刷ではカラーリバーサルフイルムを使用して撮影しカラースライドとして出来上がって来たものを使います。

カラーネガフイルムからモノクロプリントが出来ない訳では有りませんが、仕上がり具合が違うので撮影用商品が準備出来なくて手持ちの写真を転用せざるを得ない等やむを得ない場合以外はモノクロネガフイルムで新たに撮影しなおします。

カラーリバーサルフイルムはネガフイルムよりもラティチュード(露光許容範囲)が狭いので露出合せがうまくいかないことが多く、その為同じカットを露出を微妙に変えて何枚も撮影しておき、DPE上がりの具合を見て良さそうなものを選んで使用します。

カラーリバーサルフイルムを使って撮影している時にその時のカラープリントも欲しいという場合は、カラースライドから紙焼きとなると手間が掛かり高価となるので、並行して紙焼き用にカラーネガフイルムでの撮影も行っておいた方が良いでしょう。



―― 続く(増補改訂に乞うご期待) ――




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