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ToNIx Corporation
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暴走・FDDエラー v1.00 (2003/05/01) |
IBM Aptiva 2196-47L の暴走・FDDエラー |
【機種】
IBM製 Aptiva 2196−47L
(AMD K6−2/533MHz、垂直置きデスクトップ型機、Windows 98SE)
【概要】
「Windows
98起動途中におけるFDD(フロッピー・ディスク・ドライブ)のエラー表示と起動途中で動作が固まってしまって電源OFFも出来なくなってしまう暴走状態」からの復元
【症状】
Windows
98起動途中でFDD(フロッピー・ディスク・ドライブ)のFail(40)エラー表示が出た後、表示が途中でフリーズ状態(固まってしまう)を起こし、キーボード入力も無反応となり電源スィッチを操作してもOFFにすることも出来ないようになってしまった。
【修理方針】
先ず「FDD Fail(40)エラー表示」の原因と思われるドライブの接続コネクタを取り敢えず外して、一時的に切り離し棚上げバイパス起動動作をさせてWin98を起動出来るかどうか試してみる事にした。
フリーズや電源OFF不能となってしまうのに変化は無かったので、次にHDD(ハードディスク)を取り外し、別のPC(富士通製FMV−DeskPower
SU165)につないで起動出来るかどうか試してみる事にした。
FMVでの起動でHDDに問題が無い事が分かったので、後はハードウェア上の問題となるがCPUの冷却不足で誤動作することも有ることからCPUファンの風方向をチェックして冷却力の向上を図ってみる事にした。
(参照: トニックス トップ>チューンアップ法>パソコン>CPUファン> )
CPUファン風を順風に変更する作業中のミスでCPUから煙が出て緊急冷却の末、駄目元で一気にPC(パソコン)をオーバーホール(分解掃除)して綿埃(わたぼこり)やコネクタの接触不良、半田付け不良、半田屑残り等を原因とした動作不良を排除してから原因を探ることとした。
【修理難易度】 容易 ○普通 やや難 かなり難
半田付け経験等が必要な場合有り。
【修理必要工具等】
ドライバー(ネジ回し)、 掃除機、 ヘアードライヤー
虫めがね、 縫い針、 綿棒、 消毒用アルコール
【修理手順】
§1 FDD切り離し起動テスト
ケース上蓋を外すには、ケース上蓋後方上部中央辺りにマイナス(−)ドライバーを差し込んでケース上蓋を前面パネル方向へこじると、前面パネルとケース上蓋が一体となって外れてきます。
コンセントへ電源ケーブルが接続されてない状態で、FDDに接続されているフラットケーブルコネクタと電源コネクタを引き抜き、他はそのままで電源ケーブルを接続してWin98起動を試みました。
(電源ONの状態での接続ケーブル脱着は故障の原因になります。)
起動画面指示に従ってBIOS設定画面起動のタイミングで指定されているキー操作をし、BIOS設定事項でFDDの所を”NONE(なし)”に設定修正し、BIOS設定処理を終了しました。
BIOS設定処理後自動的にWin98起動処理が続行されましたが、表示が途中でフリーズ状態(固まってしまう)を起こし、キーボード入力も無反応となり電源スィッチを操作してもOFFにすることも出来ないようになってしまうのには変化は有りませんでした。
§2 HDDの他機種起動テスト
HDDはCD−ROMドライブの下に配置されていますのでCD−ROMドライブを取り外してからHDDを外します。
Aptivaと同じDOS/V互換機のPC(富士通製FMV−DeskPower
SU165)につないで起動出来るかどうか試してみたら、正常にWin98を起動出来たのでHDD内のファイルに問題は無いようです.。
(最初は富士通製FMV−DeskPower
SU165搭載のHDDをマスターとし、Aptiva搭載のHDDをスレーブとして接続し、Aptiva−HDDの内容をエクスプローラーで覗〔のぞ〕いて大丈夫そうなのを確認しました。
次にAptiva−HDDをマスターにしてFMVで起動すると、最初はセーフモードでの起動となりますが起動できたので、再起動させると通常モード起動へ移行出来ました。
尚、この場合HDDの接続状態を変える度にHDD側のジャンパーピン設定やBIOS設定でのHDD容量値の設定修正をしなければならないことを忘れてはいけません。
ディスプレイアダプタ等元のAptivaのハードウェア環境とFMVのハードウェア環境が異なるので新しい環境の対応デバイスドライバを自動的にインストールしようとし始めますが、ここでは一時的なテストなので「キャンセル」を選択しながら進めます。)
§3 CPUファンの風方向変更
CPUファンの風方向は吹き付け方向にCPUクーラー(アルミ製放熱器とCPUファンのセット)が組み立てられていますが、吸出し方向に変更します。
(参照: トニックス トップ>チューンアップ法>パソコン>CPUファン> )
使われているCPUファンは上下対称型ですから、4本の取り付けネジを外してひっくり返して取り付け直せば風方向を逆向きに出来ます。
一応CPUファンのファン風方向確認チェックをするのですが、CPUクーラー全体を取り外さなくてもCPUファンだけ放熱器から取り外して後、電源ONにして手をファンにかざして風方向を確認しますが、1・2分でチェック出来るのでこの間放熱器にファンが取り付けられてなくても問題は有りません。
やはりCPUファンの風方向は吹き付け方向だったので、電源OFF(ケーブルを引っこ抜く)にしてから吸出し方向になるようにしてネジ止めしました。
ところが、指を突っ込んで羽を回す分には放熱器に当たっている感じはしていなかったのですが、電源ONにするとカリッカリッと羽が放熱器に当たる音がしだしたので慌ててCPUファンのコネクタを引き抜いて回転を止めてしまった。
(これが災いしたのか結果として電源OFF操作出来ないのを忘れて電源プラグを引き抜き忘れてしまったまま、CPUクーラーをCPUから取り外しそのまま別の部屋でCPUクーラーのアルミ製放熱器とCPUファンにまとわりついた綿埃(わたぼこり)除きと羽が当たらないようスペーサーを噛ませながらのファン風方向変更分解組み立ての作業に入ってしまいました。
ファン風方向を吸出し方向に変更組み立てして戻ったら、何と電源プラグを引き抜き忘れた状態でCPUから白い煙が灰皿の吸殻から立ち上るものより少ない感じながらももくもくと上がっていました。
慌てて電源プラグを引き抜き、急遽1時間程ヘアードライヤーの冷風をCPUに当て続ける緊急冷却処置をしました。
CPUクーラーの綿埃(わたぼこり)除きとファン風方向変更分解組み立てに10分程掛かっていたと思われ、これでCPUが壊れてしまったかも知れませんが駄目元でPC全体のオーバーホール等その後の作業を続けることとしました。
幸いその後Win98正常起動まで持っていけましたので一安心でしたがCPU内部にどれだけダメージを与えてしまったかは分かりません・・・。)
使われているCPUファンは上下対称型ですが、ファンの羽がわずかにはみ出しているのでこのまま単純にひっくり返して取り付け直すと羽が放熱器をこすってしまうのでうまく有りません。
放熱器とCPUファンとの間に1mm厚以上のスペーサー(1.5mm厚くらいの丸皿ワッシャーで代用)をかましてやる必要が有り、そうすると元のネジでは取り付けられず長いネジ(4・5mm長いタッピングビス)と交換する必要が有りますが、こうすればうまくいきます。
今回の教訓として、CPUファンを取り外したり、CPUクーラー全部を取り外す時は短時間の作業であってもヘアードライヤーでCPUを代替冷却しながらの作業とすべきと感じました。
§4 分解掃除
分解出来る範囲で分解し、目に付く綿埃(わたぼこり)を掃除機で吸い取ります。
(参照: トニックス トップ>チューンアップ法>パソコン>CPUファン> )
§5 半田付け不良と半田屑残りのチェック
全てのプリント基板を取り外して、虫めがねで見ながら半田付け不良や半田屑残り等で回路パターンの半田ブリッジ気味な所等を細かくチェックしますが、この部分は難易度が高いので腕に自身が無ければ省略します。
§6 再組み立て
コネクタの接触不良をチェックしながら元通りに組み立て直します。
§7 FDDの交換チェック
Windows 98起動途中でFDD(フロッピー・ディスク・ドライブ)のFail(40)エラー表示が出ているので、ドライブ不良の可能性が有ります。
交換用FDDがあれば交換仮付けしてエラー表示が解消されるか試してみます。
(Aptivaに搭載されていたFDDには「NEC製FD1231T」と表示されていましたが、同型番のFDDをNEC社は自社のPC−9800シリーズ機とDOS/V互換機両方に搭載していましたので、これらの機種から一時的に取り外して試してみました。
BIOS設定はデフォルト設定値を読み込みSAVE〔保存〕するか先のFDDの”NONE”設定する前の設定値に戻してSAVE〔保存〕します。
「NEC製FD1231T」と言ってもPC−9800シリーズ機用とDOS/V互換機用とでは少し作りが違っていました。
PC−9800シリーズ機用には「DX」と表示されたジャンパー・スイッチが装備〔”0”設定〕された上、オープン曲がり型オスコネクタでプリント基板にノッチ切り欠き削除がなされて無いので接続ケーブルコネクタの凸部が上側になるようなフラットケーブルになっています。
一方DOS/V互換機用は、「DX」のジャンパー・スイッチが省略されており箱曲がり型オスコネクタでプリント基板にノッチ切り欠き削除がなされているので接続ケーブルコネクタの凸部が下側になるようなフラットケーブルになっています。
PC−9800シリーズ機用のプリント基板にノッチ切り欠き削除をした上で、接続ケーブルコネクタの凸部が下側になるようにして接続試験してみると、Fail〔40〕エラーは解消されず、「DX」の設定も解除してみたりしましたが結果は同じでした。
一方DOS/V互換機用は、状態が同じですのでそのまま手を加えず接続試験してみると、同エラー表示も無くなりOKのようです。
PC−9800シリーズ機用FDDはどうやらDOS/V互換機には使えないようでした。)
今回はDOS/V互換機たる「NEC製 PC−VS16C」(Pentium
MMX/166MHz)のFDDを取り外してAptivaに転用することとしました。
§8 Windows
98の起動チェック
上記のようにキーボード入力も電源スイッチによる強制OFFも出来なかった時は、電源プラグを引っこ抜くかパソコン用テーブルタップのスイッチを切る等して電源OFFさせていたので、Win98の正常な終了処理(スタートメニューからの終了選択)操作を行っていないので、必ず起動させるとHDD(ハードディスク)に障害が発生してないかどうかを調べる「SCANDISK」が先ず起動します。
障害が発生してないか発生していても修復可能なものなら自動修復して、本来のWin98起動動作に入ります。
(自動修復不能な致命的な障害が発生していれば、起動動作はここでストップしてしまいます。)
Win98起動途中でのフリーズ(入力操作も出来ず動作が固まってしまう)でしたが、このように前回の起動が正常に完了されなかった場合は自動的に「SAFE MODE(セーフモード)」での起動動作に入ります。
セーフモードでの起動が完了すれば、スタートメニューから終了操作で「再起動する」のラジオボタンにマウスクリックして終了させます。
(セーフモードでの起動途中でエラーストップしてしまうようなら、BIOS設定や再インストールが必要だったり、ハードウェア上の更なる故障が有ったりする可能性が有ります。
セーフモード起動で設定が必要なケースも有りますが、通常はセーフモード起動に成功したらそのまま再起動させて通常モード起動移行を試してみます。)
更なるハードウェア上の障害が残っていなければ多くの場合セーフモードで正常に起動した後、再起動で通常モード起動に移行出来ます。
(セーフモードでの起動はうまく行くが再起動で通常モード起動に失敗する場合、「Starting Windows 98....(Windows 98を起動します。)」表示の時に「f・8」キーを押して起動モード選択画面表示をさせ、ステップ確認モード起動を選択して実行するとうまく行く場合があります。
それでも駄目な場合は、PCに詳しい人か専門家にまかせた方が良いでしょう。)
本件の場合はセーフモード起動後の再起動で通常モード起動に無事移行出来ましたので、修理完了となりました。
【修理結果】
「FDD Fail(40) エラー」表示はドライブ不良が原因で交換で解消。
フリーズして電源OFF(断)も出来なかった暴走状態の原因は綿埃(わたぼこり)でCPUチップ(K6−2/533MHz)の冷却不良だった可能性が高い。
今の所、CPUから白い煙が出たことによるダメージが影響していると思われるような動作・症状に出会っていませんが、このようなミスが2度と無いように大反省しきりというところです。
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