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赤色になった v1.00 (2007/08/26) |
NEC PC-9821Cb2 CRT一体型パソコン が赤色画面になった修理 |
【機種】
NEC PC-9821Cb2 CRT一体型パソコン
(640×400ドット、640×480ドット、800×600ドット、1024×768ドット14インチCRT内蔵一体型パソコン、MS−DOS6.2/Win3.1)
【概要】
「赤色透明フィルムを通して見たかのような画面全体が赤色化した表示しかしなくなった」からの復元(1件)
【故障履歴】
不明。
【症状】
CRTディスプレイの画面前面に赤色透明フィルムを貼り付けて画面を眺めているかのように、画面全体が赤色化した表示しかしなくなった。
(元の白色部分が赤色に、その他の色は赤色を加色した感じの表示色になる。)
【修理方針】
CRTディスプレイの表示色異常原因には、@パソコン側のビデオアクセラレーション回路が壊れた(他の正常なCRTディスプレイに変えても同じ症状になる)ACRTディスプレイのRGB制御回路不良等がありますが、回路がIC(集積回路)化される度合が高くなった昨今の電気製品はそれらの部品仕様書や回路図が必要だったりして同業者にも手に負えづらくなっています。
部品仕様書や回路図が入手困難な場合は故障個所を特定するのは困難ですし、それにはそれなりの知識や工具・計測器も必要となって来ますので、素人でも出来る分解掃除だけに止めておきます。
(内臓プリント配線基板には接続コネクタが多用されるようになり、分解組立性がその分向上しましたが、繊細なコネクタ接触部分が増えた分経年変化や振動で接触端子トラブルに遭い易くなってしまいましたし、プリント配線基板のプリント・パターン微細化で埃〔埃〕やゴミの影響も受け易くなっていますから、運が良ければ接触不良とゴミ埃の除去で直ってしまう事が想像出来ます。)
【修理難易度】 ○容易 普通 やや難 かなり難
プリント基板コネクタ抜き差し経験(と、もし有ればテスター〔回路計〕とその使用経験、電子部品知識)等が必要。
【修理必要工具等】
ドライバー(ネジ回し)、 掃除機(口細ノズル、ブラシノズル)
絶縁被服電線(30〜40cm長)、 ゴム手袋(ビニール手袋)
虫めがね、 縫い針、 綿棒、 消毒用アルコール
(テスター〔回路計〕)
【修理手順】
§1 他のCRTディスプレイでチェック
NEC製CRT一体型パソコンPC-9821Cb2は一心同体型とでも言うべき完全一体型ではなく、CRTディスプレイとデスクトップ型パソコンとを1つのケースに嵌(は)め込んだような構造で、パソコン側コネクタにCRTディスプレイ側からの接続ケーブル・コネクタを差し込む形で組み立てられています。
(このコネクタは一般に分離型のデスクトップ・パソコンとCRTディスプレイを接続するコネクタと同じ規格サイズの物が使われていますので、17インチ等の大型ディスプレイに替えて接続使用出来るようになっています。)
そこで、正常動作している他のCRTディスプレイを接続してチェックすれば、CRTディスプレイ側の故障だったのか、パソコン本体側の故障だったのかの区分けが出来ます。
§2 分解掃除チェック
分解する前に必ず電源を切って置きますが、CRTディスプレイはブラウン管に高電圧(1万ボルト以上)を使用しているので、この高電圧が残っていると感電して非常に危険ですから、電源を切った後十分な時間が経過した後で分解作業を始めます。
(高電圧がまるまる残っている状態で感電してしまうと、触れた体の部位が接着剤でくっ付けられたように離れなくなってそのまま死へ直行というケースも有りますが、運良く傍〔そば〕に人がいて触れたのが例えば右手の指だったなんていう場合は、傍の人に丈夫な木の棒例えば野球のバットのようなもので右腕を強く叩いて貰って、漸〔ようや〕く指が離れて感電状態から脱しられたとの体験話を感電した事のある方から直接伺った事が有ります。
電源を切るとコンデンサー等に残っている電気が少しずつ自然放電して行きますので、電源を切ってから30分経過させて分解作業を始めると良いでしょう。
安心の為には、ゴム手袋〔ビニール手袋〕を両手にはめた上で、30〜40cm長の絶縁被服電線の両端を少しだけ被服を剥がしたもので、一方の端を金属シャーシー部分に接触させ、もう一方の端をブラウン管周〔まわ〕りやブラウン管と接続されているプリント配線基板部分周りを接触しまくり、電気が残っていて感電するかも知れない所を電線で触〔さわ〕りまくり、電線を通して強制放電させながら分解掃除作業を進めると良いでしょう。)
一体型パソコン背面を手前に持って来るように回転させるか、裏側に回り込んで、電源コードやキーボード・ケーブル、マウス・ケーブル、CRTディスプレイ部とパソコン部とを接続しているディスプレイ・ケーブル等外せるものを先ず外します。
分解した順の逆順で再組立しますので、外したネジ・部品類は順番に並べて行くと良いでしょう。
パソコン部をケースに取り付けているネジを外して、パソコン部をケースから引っ張り出します。
パソコン部プリント配線基板上には、ムカデのように狭い間隔で足が一杯並んでいるIC(集積回路)やプリント配線基板から出て行く線を取り外せるようにする接続コネクタ(端子)等の部品が取り付けられています。
この種のプリント配線基板では基板上の部品故障が原因で誤動作(運転故障)する場合の他、稀(まれ)に付着した埃(ほこり)がICの狭い間隔で並んでいる足相互の絶縁トラブル誤動作を引き起こしたり、接続コネクタの接触面金属表面劣化により接触不良誤動作を引き起こしたりする場合があります。
それで掃除機で口細ノズルとブラシノズルを使い分けながら、プリント配線基板上の埃を吸い取り、その後接続コネクタを引き抜いて2・3度抜き差しして元のように差し込んで置くと良いでしょう。
但し、接続コネクタには方向性が有る物が有って、向きが逆だと差し込めないようになっていたり、簡単に引き抜けないようにロック機構が付いていてロックを外しながらつまり引き抜く時に引っ掛かりが外れるようにある部分を押しながら引き抜いたりする等ちょっとしたコツが必要な場合が有る他、逆向きでも差し込める為に線の色分けで区別していたり、色分けも無く互い違いに間違って差し込んでしまう可能性を持ったまま組み立てられていたりする場合がありますので、元の状態と異なった状態にならないよう抜き差しは注意深く1つづつ行う必要が有ります。
もし、実際には殆ど埃が付いていないように見える場合でも、一応掃除機で埃を吸い取る操作をし、接続コネクタを抜き差しし、場合によってはテスターでそれらしい部品をチェックして置くと良いでしょう。
CRTディスプレイ部は、不用意にあちこち触らないようにし、先ずゴム手袋〔ビニール手袋〕を両手にはめた上で、30〜40cm長の絶縁被服電線の両端を少しだけ被服を剥がしたもので、一方の端を金属シャーシー部分に接触させ、もう一方の端をブラウン管周〔まわ〕りやブラウン管と接続されているプリント配線基板部分周りを接触しまくり、電気が残っていて感電するかも知れない所を電線で手当たり次第に触〔さわ〕りまくり、電線を通して強制放電させます。
(もしも電気が残っているとバチッと音がして火花が飛ぶ事が有りますが、残っていなければ音も火花も出ません。)
後はパソコン部と同じ様に一応掃除機で埃を吸い取る操作をし、接続コネクタを抜き差しし、場合によってはテスターでそれらしい部品をチェックして置くと良いでしょう。
§3 半田付け不良と半田屑残りのチェック
全てのプリント配線基板を取り外して、虫めがねで見ながら半田付け不良や半田屑残り等で回路パターンの半田ブリッジ気味な所等を細かくチェックしますが、この部分は難易度が高いので腕に自身が無ければ省略します。
§4 再組み立て
コネクタの接触不良をチェックしながら元通りに組み立て直します。
§5 起動チェック
分解掃除チェックに入る前の状態まで元通りに組み立て直せたら、電源を入れて画面表示が正常に戻ったかチェックします。
本件の場合は運良く正常色表示に戻りましたので、修理完了となりました。
【修理結果】
CRTディスプレイの画面前面に赤色透明フィルムを貼り付けて画面を眺めているかのように、画面全体が赤色化した表示しかしなくなった原因は、実際には上記【修理手順】の§1と§3を省略しての作業だったので、CRTディスプレイ部側に問題が有ったのかパソコン部側に問題が有ったのかの区分けは出来ていませんが、いずれかのコネクタの接触不良が原因だったのではないかと考えております。
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